木簡、竹簡

 国では早くから木や竹を削った木簡及び竹簡に文字を書いた。初めは竹簡が使われた。青竹を過熱して油を取り去り、皮の部分を削るか、内側を使って書いている。竹簡は幅の広いものは作れないので、長さ22cm、幅1.2cm、厚さ1mmくらいのものがおおい。中国の北の地方は竹を産しないので木簡が使われた。中国、日本など漢字文化圏の文章に縦書きが多いのは、竹簡・木簡を書写材料トしたからである。初めから幅の広い材料に書いていたならば横書きになっていたかも知れない。

 録材料としてさらに古い甲骨文書も縦書きなので、縦書きの歴史は遥かな昔にさかのぼる。木簡の特徴はそのときどきの事務処理のために作成されたものであり、永続性を目指したものではない。すなわち後々まで残そうとして作られたものではないのである。従って、編纂資料のような手は加わってないので、言い換えれば「生の資料」でもある。

 点として木簡は表面を削れば再び新しい面があらわれ、繰り返し使用できることが挙げられる。しかしかさ張り重いので、書物や記録文書を保存し、運搬すること、読むことは大変な苦労であった。文字を習うのに木簡がしばしば使われた。近年まで使われた木の荷札は木簡のなごりである。