羊皮紙(パーチメント)

 や牛の多産地だった小アジアでは全15世紀頃からその川を書写材料に用いいていたので、困ったペルガモニ王は早速この方法を改良して新たに良質の書写材料をつくり出した。これがパーチメントである。これは、「ペルガモンの(紙)」を意味するラテン語のペルガメーナからきている。

 ーチメントは羊の革を石灰の液に漬けてから、毛をむしり取り、木の枠に張って広げて乾かし表面を円月刀などで削いで薄く滑らかにし、軽石などで磨いて作る。皮はなめすとインキなどがにじんでしまうのでパーチメントはなめしていない生皮である。また大変丈夫で書きやすく、表・裏に書くことができる。ヨーロッパでそれまで使われていた書写材料では最も優れていた。欠点は高価なことである。

 ーテンベルグが1455年に初めて活字印刷をした「四十二行聖書」は180部を紙に印刷し、30部を羊皮紙に印刷している。豪華本や条約文書、祈祷書などには羊皮紙が使われてた。日本の和紙が奈良、平安時代に仏教によって育まれ、写経が盛んに行われて発展したのと同様にパーチメントも4世紀以降はキリスト教にはぐくまれてパピルス紙に代わって主要となった。