台風の構造

台風の温度分布



これらの図はクリックしたときに拡大することが可能です。

台風の温度分布この図は1987826日に台風を可視熱赤外放射計(VTIR)の熱赤外チャンネル(波長11.5?12.5μm)で観測した台風の雲の渦の画像です。この図は、温度の低い部分は雲が高く積もっていると考えて構いません。真ん中でぽつんと温度が高くなっている部分が台風の目です。ここだけ雲がなく、海面が見えていることを示しています。温度が下がるに従い、雲の厚さも薄くなります。つまり、色が濃い部分の方が強く雨が降る事をこの図は示しています。

 

台風の降水量分布

これらの図は12817571802分(世界時)に、TRMMが台風(パム)の中心付近を観測した時の降雨強度分布を示しています。

上の図は高度2.0kmでの降雨強度の水平分布を表しており、雲画像(赤外)を重ねて表示しています。渦を巻いているのが台風(パム)であり、これは南半球のサイクロンのため、渦が時計回りになっています。図中のカラー表示は降雨レーダから求められた降雨強度で、暖色系ほど強い雨が降っていることを示しています。この図において、雲画像と降雨レーダとで、中心付近では雲に覆われているのに雨が降っていないように示されています。この非対称性はこの台風が衰退期に差しかかっているからです。

下の図は線ABで切った降雨強度の3次元構造で、サイクロンの内部の降雨構造をとらえたものです。カラーで示された断面はサイクロンの中心付近を含む降雨強度の鉛直分布を、また断面の後ろの白および灰色の立体は、レーダで測定された降雨エコーの高さ(降雨がある領域の最も高い所)を示しています。左側の方で雲が厚いのに雨が降雨が観測されない場所がありますが、これは台風の目の一部だと思われるため、降雨が観測されなかったのです。


台風の風速分布


これら
4つの連続写真は平成8920日、21日の2日間12時間毎にNASA散乱計によって測定された風向、風速を連続で表したものです。台風17号(米国名:バイオレット)と台風18号(米国名:トム)で黄色?橙の渦巻き状の特色が見られます。台風17号は日本へ接近し、陸近くへ移動したものを2日間で観測しました。台風18号は日本から離れ外洋(日本東方)に移動しています。台風のまわりの風向きの影響を大きくうけることがわかります。台風17号の東側で風速が早くなっているのは、前のページでも紹介したように気団と気団の間に起きる南からの風によるものです。