3.台風発生のメカニズムとその一生

発生期

  1. 暖かい海面から供給された水蒸気が凝結して,雲粒になるときに積乱雲が生じます。台風はこの時にエネルギーを貯えているのです。
  2. 次に、多数まとまって渦を形成するようになります。
  3. 渦の中心付近の気圧が下がり始め,台風が形成されます。

この時、低緯度地方で発生してから台風として十分な大きさに発達するまでの間は、進行方向や速度が非常に不安定です。この不安定さは、人間にたとえると青年期に当たります。

 

発達期

  1. 台風として成立してから、さらにエネルギーを貯えます。
  2. 中心付近の気圧が急激に下がり、中心付近の最大風速も急激に強まります。

この時期は、台風の勢力が最も強くなる期間です。人で言うならば、成人をし、人生を謳歌する2030代ぐらいに当たるはずでしょう。

 

最盛期

中心付近の最大風速は徐々に弱まるが、暴風の範囲はかえって広がる期間である。人なら、4050代に差し掛かり、体力の衰えは感じるものの、仕事に最も脂がのっている時であろう。

 

衰弱期

  1. 中心気圧が高くなり、中心付近の最大風速が弱まる、台風が衰弱、消滅する期間である。
  2. さらに北からの寒気の影響が加わり,台風本来の性質を失って寒気と暖気の境である前線を伴う「温帯低気圧」に変わる期間でもある。
  3. しかし、中心付近の最大風速のピークは過ぎているが,強い風の範囲は広がるので、台風ではなくなったものの以前として災害に対する注意は必要な期間でもある。
  4. また、寒気の影響を受け、再発達する恐れもある。人で言うなら、もう定年退職も近づき、第二の人生に花を咲かせようとするころであろう。