【使用上の注意】

否定側の立論は、肯定側の立論の後に行うので、基本的に後手です。

従って、肯定側に対しての反論を入れる必要があるので、肯定側の立論のようにあらかじめ原稿を作っておくと言う事は難しいです。

そこで下の原稿のように、箇条書、あるいは短い文章にしておくのが良いのではと思います。

否定側は、肯定側の立論の内容をあらかじめ予測しておく必要があります。

よって否定側の立論の作り方としては、

予測しておいた肯定立論に対して、そのデメリットやプランを箇条書や短い文章にまとめ、
それを文章として組み立てながら述べていく

という方法がやりやすいのではないかと思います。

 

下の原稿は一応、肯定の立論内容を考えて作ったものです。


 

否定側立論の実例

 

テーマ『原子力発電は、化石燃料の制限があるので推進されるべきである』 より抜粋

 

否定側立論(5分)

 


【哲学、定義】 

 

それでは、《原子力発電は、化石燃料の制限があるので推進されるべきである》

と言うテーマに対する否定側の立論を述べていきます。

 

 まず否定側の提示する哲学は、≪化石燃料はすぐに無くなる事は無い≫ということです。

 定義は肯定側に従います。

 

 

まず始めに言いたいことは、

化石燃料が枯渇するからと言って、原子力発電を推進するのは軽率であります。

 


【デメリット】

 

確かに現在、原子力発電は多くのエネルギーを供給できるものとして使われています。

しかし、だからといって化石燃料の変わりとしていいのでしょうか。

原子力発電について考えると、まず安全性の問題が第一に挙げられます。

原子力発電所はいくつもの安全に対する備えがあるといわれますが、それが絶対に安全であるとは言い切れません。

なぜなら、実際に毎年トラブルの報告があることもわかっているからです。

 

(トラブルの内容など,具体的に)

 

100パーセント絶対安全というものはありえないかもしれませんが、万が一が起こったとき大きな被害の出ることは容易に予測できますから、

化石燃料にいくら制限があるといっても、今の段階では、つまり原子力発電による問題が解決されるまでは推進されるべきではない

 


【プラン】

 

原子力発電を推進せずにすむ代価のプランとしていくつか上げると、

まず、『省エネを徹底する』というものがあります。

 

 

最近の傾向としてリサイクルなどに力が入り始めています。

そのような流れをもっと積極的に進めていく。

 

 

そのうちに新エネルギーの開発をして、原子力発電に頼らない新しいエネルギー発電を行う。

 


【まとめ】

 

『原油はあと数10年しか残っていない』と言う言葉は、それこそ数10年前から言われていますが、技術の向上や新油田の発掘などにより、現在にいたっても、「あと数10年」と言う状況は変わっていません

これから先も採掘技術の進歩・新油田の発見は行われるでしょうから、当面は、埋蔵量が減りそうで減らない状況が続くと推測されます

 

私たちは、原発を使わなければまかなえないような大量消費をすることこそを防止するべきであると考えます。

 


以上、作者が実際に使った否定側立論に関するプロットです。

はっきり言って立論に関しては、肯定側より否定側のほうが難しいです。

相手の立論をだいたい予測しておく必要はあるし、箇条書、もしくは短い文章にまとめておいた物を
その場で文章に組み立てながら立論として述べなければならないし・・・。

だから、もしもあなたが否定側の時、肯定側がしっかりとした立論を述べていてもなお肯定側に対して有利に立論を終えることができたなら、あなたはディベートなど、『弁論もの』の素質大有りです。

自信にしても結構ですし、評価も高く見てもらえると思います。

 

 

ちなみに作者の私は、否定側の時はほとんど惨敗しています。
文章組み立て能力の無さを痛感させられました。(泣)

 

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