「みな、良くやった。早くから斎藤家に見切りをつけた伊賀守たちも賢明ではあったが、最後まで竜興に尽くした日根野備中も、見上げたものである。」
「ははっ、身に余るお言葉。」
と備中、こうべをたれている。
「わしはこれを戦とは思うておらぬ。されば備中たちも敵にくだると思わず、 主が甥から叔父に変わっただけと心得るが良い。」
 こうして美濃を手に入れえた信長は、町の名を岐阜と改めたものである。 したがって稲葉山城は岐阜城となる。 信長、ここを根城にして天下布武の名のりをあげ、また一歩、今日の都に近づいたわけだ。
武を持って天下を治める、というのが天下布武の意味なり。



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