「彦右衛門よ。わしは死んだら、極楽へゆけるかのう。それとも地獄かのう。」 「極楽だろうとごくだろうと同じことよ。極楽にも、極楽の地獄と極楽の極楽がある。 地獄にも、地獄の極楽と地獄の地獄がある。」 病床の秀吉に問われた蜂須賀彦右衛門は、こう言った。 「そのどちらに落ちても、極楽の地獄にも、極楽の地獄の極楽と、極楽の地獄の地獄がある。 もし地獄の極楽の地獄に落ちても、地獄の極楽の地獄にも、地獄の極楽の地獄の極楽と、 地獄の極楽の地獄の地獄がある・・・・・・」