第十回春の天気
大陸の気温が上がりはじめ、大陸の高気圧がおとろえるころ、
日本海で低気圧が発生することが多い。そのようなとき、日本列
島の南よりの強い風がふきこんで、気温が上がる。その年の最初
にふくこの強い南風を春一番という。日本海の低気圧が東に遠ざ
かると、ふたたび冬型の配置になるが、このようなことが繰り返
されながら、しだいに暖かくなっていく。4月から5月にかけて
は、揚子江気団が発達し、その一部がちぎれて移動してきた移動
性高気圧が日本付近を通過する。また、日本の西側でできた低気
圧も、移動性高気圧と交互に日本付近をつうかする。このため、
4〜7日の周期で天気が変わることが多い。移動性高気圧におお
われると、さわやかな晴天になるが、夜間に冷え込み、農作物に
霜の被害が出ることもある。