第十三回冬の天気
冬のシベリアでは、地表が冷えて高気圧が発達し、
冷たくて乾燥したシベリア気団ができる。このシベ
リア気団から吹き出す強い北西の風が、日本海を渡
って日本列島に吹いてくる。これが、冬の季節風で
ある。シベリア気団から流れ出す空気はもともと乾
燥しているが、暖かい海流の流れる日本海上空を通
過する間に、大量の水蒸気を含むようになる。この
空気は海上でも雲をつくるが、とくに日本列島の山
脈の日本海側で上昇し、雲をつくって日本海側の各
地に雪を降らせる。山脈をこえて太平洋側に移動し
てきた空気は、雪を降らせたため水蒸気が少なくな
り、太平洋側の各地では晴れて乾燥した日が多くな
る。このような天気をもたらすときの気圧配置は西
高東低で、冬型の気圧配置ともいう。