第十六回梅雨
6月になると、オホーツク海の高気圧が発達し、
北上しはじめた太平洋高気圧との間に、気圧の
低い所(気圧の谷)ができる。この気圧の谷に
流れ込む北からの寒気団と南からの暖気団との
間にできる前線は、長い間その場所にとどまる
ので停滞前線とよばれ、前線の北側では、長時
間にわたり、雨の多い、ぐずついた天気が続く。
この天気の悪い季節を梅雨といい、この時期の停
滞前線をとくに梅雨前線という。7月も中旬を過ぎ
ると、普通は、太平洋高気圧が強くなって梅雨前線
を押し上げ、梅雨が明ける。こうして日本列島は太
平洋の高気圧におおわれ、本格的な夏になる。しか
し、太平洋高気圧が弱かったり、オホーツク海の
高気圧がいつまでも強かったりすると、冷夏にな
り、東北地方などでは米の収穫などに影響がでる。