チェルノブイリ事故概要
皆さんも一度は聞いたことがあるであろうこのチェルノブイリ事故は明らかに人災であった。直接原因は、安全の命綱である反応度操作余裕制御棒数30本を7本にしてやったことであった。さらに旧ソ連の原子炉構造は、驚くほどの不安全炉だった。まず炉の格納ドームがないのだ。日本では炉を2?3Mの厚みのコンクリートですっぽり覆っている。
それに対応する隔壁がチェルノブイリの炉はない。もしこれがあったらあのような大悲劇にはならなかったであったといえよう。
またこの黒鉛軽水沸騰型原子炉のボイド反応度係数が正である。低負荷では出力係数が正になる。これは設計前から広く知れている事実で、炉が手に負えぬ事態となったら暴走する危険性を本質的に備えている。しかし旧ソ連は暴走させてしまったのである。

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