JCOウラン加工施設における臨界事故の概要
・事故の科学的要因
今回のJCOウラン加工施設では、酸化ウランの粉末からの不純物を取り除くという作業を行っていた。本来の手順では、まず溶解塔で酸化ウランを溶解し、容量の小さな貯塔で均質化した後、製品であるウラン溶液とすることとしていた。しかし、JCOでは溶解の際、溶解塔の代わりにステンレス溶液でウランを溶解したうえ、一度に処理しようと、溶液の大きな沈殿槽に規定の2.4Kgを超える約16Kgのウランを含む溶液を注ぎ込んだため、ウランが核分裂の連鎖反応を起こす「臨界」に至ったものと考えられている。

・核分裂の停止
臨界反応を終息させるため、核分裂を起こしやすくする働きをする冷却塔の水を抜く作業を実施これが成功して臨界反応は停止した。さらに中性子を吸収し、核分裂を起こりにくくする働きを持つ、ホウ素の溶液を沈殿槽に注入し、核分裂を完全に停止させた。

(抜粋:科学技術庁 ニュースレター)
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