再配達問題

再配達問題を解決するには・・・

このサイトにおいて、いくつか取り上げられてきた、再配達問題。

現在物流業界では、より確実に荷物を受け取ってもらえるよう、駅や自宅などへの宅配ボックスの設置などの対策を行っています。

しかし、それでもどうしても発生してしまう再配達。

もちろん「再配達を完全にゼロにする!」というようなことは、あまり現実的ではないでしょう。

そこで我々は、宅配ボックスなどを使用せず、再配達しなければならないという際にも、少しは宅配ドライバーの負担軽減を行うべく、次のような解決策を考えました。

それは、再配達が必要なところには直接は行かず、再配達となってしまった荷物は、その配達地域内のある一か所に集約し、お客様にはそこで受け取ってもらうということです。

ある一か所とは、全国的に多数ある、コンビニなどが挙げられます。

それによって、宅配ドライバーは配達の最後に再配達となった荷物を、各家にもう一度配達するという手間が省け、宅配ドライバーへの負担軽減にもなり、さらに再配達による無駄な距離を走行せずに すむので、環境への影響も低減できるでしょう

ちなみに国土交通省によれば、再配達における年間での二酸化炭素排出量は全国的におおよそ、山手線の内側2.5個分と同じ広さのスギ林の年間CO2吸収量に相当するそうです

今回行った検証について

検証目的

今回の検証では、前述した解決策を実際に自分たちで再現してみました。

そして、その再現した検証から、訪問地のうち、再配達の件数の割合が、おおよそどのくらいの時に一か所に集約したら、距離が短くなるのかということを調べることです。

検証方法

今回の検証方法は、上の図に示してある通り・・・

➀今回荷物を集約する場所を、一か所に固定する(今回は配達エリアの中央にあるものと仮定)

➁配達エリア内に、20の訪問地を機械的にランダムで設定

➂➁と同時に、再配達地が最大5件ランダムに設定される。(この時点では、ドライバーは再配達地の存在を知らないものとする。)

➃TSPシミュレーションを使用し、20件訪問する順番を設定してもらう。

➄➃の後あと、➀で設定した集約場所に立ち寄ったときの距離と、➂で設定した再配達地が1件の場合、2件の場合・・・などの距離とでは、どちらが短くかつ、再配達地が何件の時から、一か所の集約所に配達したほうが有効になるのかを調べてみました。

➅その後➀から➄の作業を合計10回行い、集約場所に立ち寄った時のほうが有効になり始める件数を、平均で求める。(1パターンが終了すると同時に、訪問地をランダムで更新かつ、それに伴い、再配達地もランダムで更新)

結果

10回の検証を行った所、集約場所に立ち寄った時のほうが有効になり始める件数の平均値は、3.1件。つまりは、訪問地全体のうち再配達地の割合がおよそ15%の時です。

考察

結果より、訪問地全体のうち再配達地の割合がおよそ15%以上の時に、私たちが考案した改善策が有効になることがわかりました。

しかし、現実的には、訪問数の差、訪問地の配置などにも差があり、今回の結果のような値にピッタリなることは、あり得ないことです。

   

ですが、今回の検証から私たちが考案した改善策は、必ずしもすべての場合においても、有効にはならず、逆に、再配達地が多いほど有効になってゆくものだということがわかりました。(再配達地が多いほど、距離は必然的に大きくなっていくため)

よって、いま再配達が急増している中、我々が今回考案した改善策は、より多くの機会で使われていけるものだと思いました。

まとめ
  • 今回の検証条件(訪問数20 集約地が宅配エリア中央に1つ)の場合は、比較的再配達地の数が少なくても、我々の考案した改善策は有効になる。
  • 検証結果から、再配達が急増している現代においては、かなり有効的な改善策だと思いました。

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