内村研究室へ取材
12月26日、僕たちは芝浦工業大学機械工学科機械制御工学研究室の内村裕教授を取材しました。
内村氏の研究室では自律移動ロボットの研究をしており、宅配ロボットの実現性などについて伺うことができました。
自律移動ロボットとは
自律移動ロボットは無人で歩道や建物内を走行できるロボットのことを指します。
これに宅配ボックスが取り付けられ、荷物の運送・受け渡しが無人で行えるようになったら、宅配ロボットとなります。
自律移動ロボットの仕組み
内村研究室のロボットの仕組みはこうです。
宅配ロボットの場合このあとこうなります。
これに画像認識技術を加えれば、道路の素材を見て走りやすい道を検出したり、歩行者の顔の向きから進行方向を予測し衝突回避を前もって行うことができるそうです。
宅配ロボットとしての実用性について
技術的には、研究を続ければ可能です。
しかしもし、荷物をなくしたり、人を轢いてしまうようなロボットのミスがあったときに社会がどこまで許容できるかが重要となります。例えば、トラックに乗った配達ドライバーが人を轢いてしまったのと、宅配ロボットが人を轢いてしまったでは、被害者家族の気持ちも違うと思うんです。100%安全はない、ということを理解していただく必要があります。
あとは、何を運ぶかもよく考える必要があります。失っても代わりがあるようなものであればいいですが、重要書類などは運んでる途中に盗難などに遭ってしまえば、洒落になりませんからね。
ロボットにオンラインで繋がったカメラを設置すれば、自分の容姿がバレてしまうわけですから、一生を棒に振ってまで盗みを働く人は減るでしょう。しかし、もしロボットが1000万円を運んでいたら一生をかけても盗む価値がある、と考える人もいるでしょう。
その他の質問
もちろん、そうできるに越したことはないですが、それだけだとやはり位置情報にずれが生じてしまいます。
また、日本中の3Dデータを用意しておくということは、そのデータを取る人がいるということなので、そこで雇用が生まれ社会的にもいいと思います。
安くても、車一台分くらいの値段になります。
搭載しているセンサーが高額で数十万以上しますから。
これに加えて、充電拠点・設備や無線でロボットと連携できるエレベーターやインターホン(ロボットがボタンを押せるなら不必要)など、他にも色々とお金がかかります。
普及すれば、量産化や競争によって値段はどんどん下がるとは思いますけどね。
- 自律移動ロボットはGPSやセンサーを組みわせて走行している。
- 宅配ロボットは技術的には可能だが、社会がロボットのミスをどこまで許せるかが課題。
取材に協力してくださった内村教授と研究室の皆様、ありがとうございました。
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