陽イオンと陰イオン

イオン…原子は電気的に中性であるが、原子が電子を失ったり得たりしたりすると、電気を帯びるようになる。電気を帯びた原子をイオンという。

陽イオン…*例を使って説明します。ナトリウムNaの原子記号は11であり、電子の数も11であるから、電子は、K殻に2個、L殻に 8個、M殻に1個配置されている。このM殻の電子1個は価電子であり、この価電子を放出すると、希ガスであるネオンNe(原子番号10)と同じ電子配置となり、安定となる。この結果、陽子(+電気を持つ)が11個、電子(−電気を持つ)が10個となり、全体として正(+1)の電気を帯びることになる。これがナトリウムイオンNa+で、1価の陽イオンとなる。

 

陰イオン…*例を使って説明します。塩素Clの原子番号は17であるから、電子は、K殻に2個、L殻に8個、M殻に7個配置されている。したがって、M殻にあと1個の電子が入ると、希ガスのアルゴンAr(原子番号18)と同じ電子配置となり、安定となる。この結果、陽子(+)が17個、電子(-)が18個となり、全体として負(-1)の電気を帯びることになる。これが塩化物イオンCl-で、1価の陰イオンとなる。

・陽イオン…原子が価電子を放出して、正に帯電。

・陰イオン…電子が電子を得て、負に帯電。

・原子がイオンになると、希ガス型の電子配置をとり、安定化する。