法律と生活

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このページの目次
概要
誕生
小学校入学
刑事責任
婚姻
成人−選挙権−
出産−親権−
引退−年金−
死亡
後書き「提案に代えて」
参考ホームページその他
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子供用へ
わさわさ

概要 ページの先頭へ

 みなさんは、法律が自分の一生にどれだけ関わっているのかを考えたことがありますか?まず大切なことは、あなたの人生の至る所で法律が関わっていると言うことです。信じられますか?信じられても信じられなくてもこれを読めばあなたの人生がどれだけ法律と関わっているのかが分かります。

誕生 ページの先頭へ

赤ちゃん  あなたはたぶん覚えていないかもしれませんが、あなたが生まれてから14日以内(国外で生まれた人はいないでしょうから)に、あなたの親があなたの生まれた土地の市役所に届け出ます。これは、戸籍第法49条に出生の届出は、十四日以内にしなければならないの様に書かれているからです。この法律が、生後最初に適用となる法律です。この様に、現代人は生まれた瞬間から法律と共に生きているのです。

小学校入学 ページの先頭へ

 6才までは、法律は関係ないという訳ではありません。しかし、人生の節目という事で、6歳まで飛びます。6才になると、小学校へ入学しなければなりません(障害者の方は、障害の程度に合わせて病院学校、盲学校、聾学校、養護学校、普通学校の特殊学級、普通の学校に行きます)。親には、入学させ、授業を受けさせる義務が生じます。それは、学校教育法第22条に決められています。
 なぜ、小学校に行く必要があるのでしょうか?その理由は、個人の尊厳(憲法第13条)を尊重するような人を形成するためという物ですが、このようなことまで教育基本法で定めています。では、この様な大切な場所に子供を行かせない親はどうなるのでしょうか?催促されても行かせない場合は10万円以下の罰金を払わせられます。このことさえも法律(学校教育基本法)で決められているのです。この様に、まさに教育は人間形成の大切な場ということが法律で守られていることからも分かります。

刑事責任 ページの先頭へ

 人の人権を傷つける。そのようなことをもしもしてしまった場合でも、14才までは「そんなことを言っても子供のことだから」という考え方から許していました。しかし、中学三年生までになってもまだ「子供」ではいられません。そこで刑法では、14才を超えた場合は、自分で責任をとりましょうと決めています。ただし、死刑などの大人の処される刑ではなくて、少年院などに入れられます。20才までの6年間の「青春時代」に、魔が差したために人の人権を傷つけた人々が少年院や医療少年院で更正を目指しています。刑法の他に、民法では、責任の年齢はケースバイケースですが、中学生は、責任を負う可能性が非常に高くなります。他人の人権を傷つけない、当然のことです。

婚姻 ページの先頭へ

 多くの人は、結婚します。そのためにかなり有名な規定ですが、民法731条に男は、18歳に、女は、16歳にならなければ、結婚できないと書かれています。それは、15才まではあくまでも子供なのです。では、なぜ刑法は14才で民法は16(18)才なのでしょうか。それは、民法753条に未成年者が婚姻をしたときは、成年に達したものとみなすという規定があるからです。つまり、結婚すれば、それぞれ新しい家庭を作り、親のすねをかじるわけにいかないから働いたり、子供を育てたりする際に、「責任」が問題となることが多いであろう。そんなときに親の承諾をいちいち得ていられないからという配慮(?)からこの規定が存在します。すると、14才では、全責任を負う「大人」としてはあまりにも子供であることから16(18)才となるのです。もちろん、結婚しても、煙草もお酒も選挙権もありません。

成人−選挙権− ページの先頭へ

 20才になると、選挙権をもちます。公職選挙法第9条をみて下さい。日本国民で年齢満20年以上の者は、選挙権がもらえます。これは、義務ではありませんが、投票しなければなりません。政治への無関心は、現状の肯定とみなされます。
 なぜ、衆議院議員と地方議会議員、市町村長は25才で被選挙権が、参議院議員と知事は30才で被選挙権が生じると言いますと、20才では、大学が終わらないからまだ代議士には知識が足りない。25才では大学院が終わらないから6年間も任期をまっとうできるのかというのが理由らしいです。

出産−親権− ページの先頭へ

 出産(男は配偶者の出産)によって、子供が生まれます。子供が産まれると、かわいいだけではなく、いろいろな法律問題が出てくることがあります。小さい子供は善悪の判断がつかないので、ふざけてやっている事が、大きな事になる可能性も有ります。その責任を規定したのが民法第820条です。単に言いますと、親の許可の範囲でしか何もできないが、責任は親が負うという事です。さあ、みなさんも、子供ができたら、きちんと責任を持ちましょう。もう、誰のせいにもできません

引退−年金− ページの先頭へ

 生涯現役という言葉は、仕事が趣味の人にとっては夢です。しかし、体は少しづつ、少しづつ衰えます。ある研究者の研究によると、脳細胞の減り方は、一番使っていないところが大きいという事です。そこで、引退して年金生活を送る権利を、今まで年金を納めるという義務を果たした人のみにあたえてくれる法律があります。それが、厚生年金保険法第42条です。さあ、趣味に生きるもよし、第二の人生を始めるのもよし、遊びほうけるのもよしのバラ色の年金生活があなたを待っています。しかし、最近は、年齢引き上げなど、暗い雲が立ち込めます。

死亡 ページの先頭へ

人間は、必ず死にます。人が死ぬと、2つの法律が大切になります。それは、相続と、死亡届です。まず、相続ですが、民法では、死者の財産は、国家のおかげ(人権保障など)で形成された物が少なくないから、相続税がとられます。その残りは、もらっていっても良いという仕組みです。これは、民法882条にまず、相続について書いています800万以下の金額だと10%が、5000万〜1億以下だと30%が相続税になります。そして、出生届と対応する死亡届を出してもらいます。これは、戸籍法第86条で決められています。死んでから7日以内に、しなければなりません。これが行われて初めてその人が死んだことになります。世の中はおかしいですね。死んでいるのに、死亡届が出ていなければ生きていることになるのですよ。

後書き「提案に代えて」 ページの先頭へ

 法律は、普通は表には現れません。一般的な日常生活を送るときに、法律を特に考える必要があることは、ほとんど無く、あってもせいぜい人生の節目節目でしょう。しかし、ここまで書いたとおり、法律は、社会の裏方として、全てをコントロールしているのです。「動物には法律が無い!」という人もいますが、たとえば猿は、群れの中での地位というルールを持っています。社会を作る生物にとって、法律、規範、決まり、ルールは、必要になるのです。人間は、複雑な社会を持ったために法律という明文化された複雑なルールをもつことになりました。法律を知らなければ損をしたりすることもあります。自分たちが法律を作ると言う意識が市民にとって大切です。


参考ホームページ、その他

【引用情報】画像「赤ちゃん」
【情報源】岡茉莉子
【引用許可の取得方法】本人に直接許諾を得る
【許可の取得年月日】2001年3月10日

松尾剛行『Law -Life of a People-』
(小冊子), 1999
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