古代インドのアーリア人が信仰していたバラモン教は、「ヴェーダ」と呼ばれる聖典を用いていた。この聖典は、神に捧げる賛歌や祭式の実行方法、哲学的問答などを収めたものである。 ヴェーダは 1.リグ・ヴェーダ 2.サーマ・ヴェーダ 3.ヤジュル・ヴェーダ 4.アタルバ・ヴェーダ の4種で構成された。成立の詳しい年代は不明だが、インド最古の文献とされる。 「ヴェーダ(ve-da)」とは、「知る」を意味するサンスクリット語がもとになった言葉で、聖なる知識を意味する。 ヴェーダの神々は、大部分が自然現象に由来している。 バラモン教の司祭はバラモンと呼ばれる階級で、バラモンが語る言葉は人間の言葉というより天の啓示とされ、必ずその言葉どおりに物事がなると考えられていた。そのためバラモンは社会的に最も力を持っていた。 後にバラモン達はバルナ制度(カースト制度)をつくり、自らの地位をさらに強くした。その後他の宗教に押されたバラモン教はヒンドゥー教へと姿を変えていくことになる。 |