稲の成長と農家の仕事

 イネの成長と農家の仕事を月ごとにみていきましょう。

3月 3月下旬から4月上旬にかけて代かき(しろかき)をします
冬を越し、土が固くなった田んぼを耕して水をはり、土のかたまりをくだいて土をどろどろの状態にします。
そうして、どろどろの土の表面を平らにします。また、田んぼのあぜをしっかり固める、「あぜぬり」の作業もあります。
4月 イネの発芽
稲代(いなしろ)に種をまきます。種もみは水分と酸素を吸って気温が10℃以上になると芽を出します。
まずはまく前に苗に病気が出ないように、52℃の温水にタネモミを10分ほどつけて消毒します。
5〜10日ほど水につけておくと、イネの芽が出やすくなります。
  2日目
タネモミから根が一本出てきます。白い芽が出てきます。
  4日目
最初の葉は白いのですが、2番目の葉からは緑の葉が出てきます。
  20日目
このころにはタネモミの中の養分が全部発芽に使われてしまっています。
この時点で4枚の葉が成長します。根も新しく4本出て、5本の根が出ています。
5月 イネを稲代から田んぼにうつします。地表面の温度が13℃以上になる5月の連休あたりから田植えの時期が始まります。
地域によって違いますが、6月の上旬までがおおよその田植え時期です。
6月 イネは枝分かれして、新しい葉や根をどんどん出していきます。
7月 日がだんだん短くなり、葉は黄色になり、花芽をつくる準備をします。
イネの穂は茎の中につくられます。この穂が茎の外に出ることを「出穂(しゅっすい)」といいます。
出穂する前あたりに、肥料を追加してやります。肥料を追加することで穂の成長を助けます。
  イネの花は天気のよい午前中に咲きます。もみがらがはじけて開き、中から出てきたおしべが花粉を出し、めしべにかかります。
これで受粉の完成です。受粉されるとすぐにもみがらが閉じ始め、おしべを外に出したままもみがらは閉じてしまいます。
この間の時間はおおよそ1〜3時間ほどです。
8月 穂を出します。胚乳の入る袋がもみがらの中で作られ、でんぷんがその中にたまっていきます。中の胚乳がさらにふくらんできて、固まってきます。
9月 もみがふくらみ、イネの穂がたれて、収穫の時期をむかえます。
10月 収穫したイネを乾燥させます。昔はイネごと天日干しにして、それから脱穀していました。
今では収穫時にコンバインでイネからモミをわけ、乾燥機がモミを乾燥させます。
11月 地域によってはこの時期に代掻き(しろかき)あぜぬりの作業をしてしまいます。