|
癌の発生
癌は、一度かかると命にかかわる重病で、肝臓、胃、皮膚など身体のいたるところにできます。
癌がそもそもどうして起こるのか。それも、遺伝子に関係しています。
というのも、遺伝毒物(ここでは発癌物質とも呼ばれます)がここでまた登場するからです。
癌が発生するのは、まさにこの遺伝毒物によって遺伝子が損傷するためです。遺伝毒物に限らず、細菌やウィルス(胃がんの原因であるピロリ菌など)の遺伝子によっても引き起こされます。
遺伝毒物によって遺伝子が傷つけられた細胞は、塩基の欠落や損傷、あるいは入れ替わりによるエクソンの読み枠のずれ(イントロンが損傷した場合には問題ありませんが)のために誤った情報が発現してしまいます。
このため、必要なたんぱく質が作られない、逆に不要なたんぱく質ばかりが作られる、たんぱく質の合成に歯止めが利かなくなるなど、本来の働きとは異なる働きを始めます。この細胞が、癌細胞です。
そうなると、もともと身体の組織の中でちゃんと働いていた細胞がある時突然勝手な振る舞いを始め、あろうことかほかの細胞を駆逐して増殖していきます。そして、身体の組織の崩壊が内部から起こり、やがて個体が死ぬことになるのです。
癌のたちの悪いところは、働きが異常でも、やはり同じ細胞だということです。そのため、癌細胞を殺す薬は、正常な細胞も一緒に殺してしまうのです。
back
|