男が女に恋文を贈ります。
数回やりとりしますが、女は直接は文を書かず、
代筆させたり、代作してもらうのが普通でした。
時期を見て、女が直接会う事をほめのかした和歌を送ります。
こうして初めて男が夜に、女の所へ訪れます。
とはいうものの、侍女がわいろにつられたり、
その男の家来と恋仲だったりすると、
男を勝手に引き入れる事もあったそうです。
一夜過ごした後、夜明け前の
人目の付かない頃に男は帰宅します。
帰る前に、互いの衣を一枚交換する、
後朝(きぬぎぬ)という習わしがあったそうです。
帰宅後は男はすぐに、後朝の文を出して、
愛の誠意を見せました。この文は出すのが、
早ければ早いほど良いとされていました。