第一部

(一巻桐壺〜三十三巻藤裏葉)


  
いつの時代のことか、桐壺帝という帝に、後に光源氏と呼ばれることになる
      
それは美しい息子が生まれました。

母の桐壺の更衣は、その子がまだ幼い時に亡くなってしまいました。

臣下として成長した源氏は、様々な女性と恋をします。

結婚した葵の上の他に、空蝉、夕顔、幼女から育てた紫の上、

朧月夜、六所御息女、といった美しい女性達。

中でも藤壺は、亡くなった源氏の母にそっくりで、

源氏はすさまじい程に、恋をしました。

しかし、彼の恋が災いして、その上、父帝の死が重なって後ろ盾を失い、

都には居られなくなってしまいます。

源氏は須磨(今の兵庫県)に流されてしまいます。

その後、明石に移り、そこで明石の君と来いに落ちます。

やがて、都の帰れる事になり、

源氏は地位と権力をどんどん高めていきます。

そんな中でも、夕顔の娘・珠葛に恋をします。

そして、ついに源氏は、異例の准太上天皇の地位につき、

栄光を極めたのでした。