平安時代では、行事がとても大切にされていて、あらゆることが儀式・年中行事として扱われたので、同時にこれらのことをスムーズにこなしていくことが貴族達に求められた能力のひとつでした。下の表は年中行事の一部を取り上げたものです。
白馬節会 | 加茂祭 | 仲秋観月 | 大祓え |
月日 | 行事名 | 行事の内容 |
春 一月一日 | 四方拝 | 午前四時に清涼殿の東庭で、天皇が天地四方の神々と先祖代々の丘や山を拝み、年災を払い、国家の安泰を祈る儀式。 |
七日 | 白馬節会 (あおうまの せちえ) |
年中の邪気を避けるため、天皇が白馬を見る儀式。そのあと宴を開く。中国から伝来した風習。 |
八日 | 御斎絵 | 宮中で国家安穏を祈り、金光明最勝王経(こんこうみょうさいしょうおうきょう)を講説する法会。 |
十六日 | 踏歌節会 | 年始を祝し、舞人により踏歌という舞踏が奏される行事で、平安時代の中期に女性だけが舞うようになった。 |
十八日 | 賭射(のりゆみ) | 弓の名手による対抗試合。 |
二十一日 | 内宴 | 学者などを呼んで詩をつくらせる。 |
二月四日 | 祈年祭 (としごいの まつり) |
神祇官や国司の庁で行われた、その年の五穀の豊作と国家の安泰を祈る祭り。 |
初午 | 稲荷神社初午 | 初午の日に行われる稲荷神社の祭礼で、平安貴族の間で最も盛んに行われた。 |
三月三日 | 曲水の宴 | 清涼殿の東庭で文人が庭の曲水の流れに酒杯を浮かべ、自分の前を流れていく前に詩歌を詠み酒を飲む。 |
上同 | 上巳祓 (じょうしの はらえ) |
雛人形・調度・草餅などをそなえて祝う。 |
夏 四月一日 | 更衣 (ころもがえ) |
装束・几帳・その他の調度品を夏向きに変える。 |
八日 | 潅仏(かんぶつ) | 釈迦誕生を祝う法会。 |
中酉 | 賀茂祭 | 京都の賀茂神社の祭り。"祭り"といえば、この祭りを指す。当日は冠や牛車・桟敷の簾(すだれ)などを賀茂葵で飾ったので葵祭とも。 |
五月五日 | 端午の節会 (たんご) |
宮中の式に参列する者は邪気避けの菖蒲(しょうぶ)を冠にかけた。群臣には邪気払い、延命のための薬玉(くすだま)をお与えになった。一般には邪気を払うために菖蒲やよもぎを軒にさし、ちまきや柏餅を食べる。江戸時代から現在のような男児の節句として人形などを飾るようになった。 |
六月晦日 | 大祓 (おおはらえ) |
年間の穢れを祓う儀式で、茅の輪くぐりなどが行われた。 |
秋 七月七日 | 乞巧奠 (きっこうでん) |
当日の夜、牽牛・織女の二星を祭り、染織・書道・詩歌・音楽などの技芸が上達するように祈る儀式。夜通し香をたき、詩歌の宴が行われる。 |
二十六(八)日 | 相撲節 | 近衛府が全国から力士を集め、二十六日に内取り、二十八日に紫辰殿で召し合わせが行われていた。 |
八月十五日 | 仲秋観月 | 供物を供え、宴を開き、詩歌などを作り満月を愛でた。 |
九月九日 | 重陽節句 (ちょうよう せっく) |
宮中では中国の菊花の宴に倣った菊見の宴が催された。 |
冬 十月一日 | 更衣 | 装束・几帳・調度を冬物に替える。 |
十一月中丑・寅 ・卯・辰の日 | 五節(ごせち) | 舞姫の舞楽。辰の日に『豊明節会(とよあかり)』があって、五節の舞が舞われる。舞姫には、国司・公卿らの娘が選ばれた。 |
十二月晦日 | 大祓え 追儺 (ついな) |
宮中では一年の罪や穢れを祓って新年を迎えるため、大祓など種々の行事が行われる。『追儺』では大舎人(だいとねり)寮の舎人をおにに仕立てて、桃の弓で葦の矢を放って一年の邪気を祓う。江戸以降、節分の行われるようになった。 |
聞きなれない言葉がたくさん出てきたと思います。 ごせち?何の事だろう、と思っている方も多いはず。 まず、どんなものかを想像してみてください。 そして次に源氏物語とであったときに、 それを見つけられたら、あなたは平安時代のセンスの持ち主です。 資料にもたくさんのっています。 ぜひ、あなたの平安時代センスをチェックしてみてください♪ |