21時南中は12月30日で、正中高度は20°です。オリオン座の南西から地平線下へ続く、全天第6位の巨大な星座です。ギリシャ時代にはθ星までしか伸びていませんでしたが、現在はそれより20°南まで伸びて、0.5等のアケルナルで完結します。アケルナルは、九州以南でないと見えません。紀元前300年ごろのギリシャの詩人アラートスの詩に初めて名前が出てくる、トレミー48星座の一つです。エジプト人はナイル川、ペルシャ人はユーフラテス川、ローマ人はポー川と、それぞれ身近な大河の名前で呼んでいました。
太陽の神ヘリオスの息子フェートンは、父に会いに太陽神の宮殿までやってきました。フェートンは太陽馬車に乗りたいと言うと、父の制止も聴かず、朝になると同時に太陽を馬車に乗せて天に駆け登っていきました。馬車を引く馬たちは、すぐに乗り手がヘリオスではないと悟り、馬車は暴走を始めました。天高く登ったり、地上すれすれを飛んだり、そのうち天地が焦げ始めました。大神ゼウスは、仕方なく雷を投げつけて馬車を壊してしまいましたから、フェートンは真っ逆さまにエリダヌス川に落ちて死んでしまいました。