ぎょしゃ座

21時南中は1月31日で、正中高度は天頂付近です。頭上高く流れる冬の天の川に浸っている、1等星カペラと五角形の形に並んだ星々が目印の星座です。カペラは、21個ある1等星の中では最も北に位置し、日本ではほぼ一年中見ることができます。バビロニア時代に誕生し、当時は老人と羊の姿の星座と見られていました。1等星カペラは、天神アヌ、または最高神マルドゥクの星として崇められたこともあります。トレミー48星座の一つです。双眼鏡を向けると、星座全体が微光星で覆われていてたいへん美しい星座です。

星座物語

鍛冶の神ヘーファイストスとアテナ女神の子で、アテネの4代目の王様エリクトニウスは、生まれつき足が不自由で歩くことができませんでした。しかし、彼には知恵の女神アテナが付いていました。アテナは、エリクトニウスの体の不自由さを補って余りあるほどの知恵を授けました。知恵を使ってアテナの国王となったエリクトニウスは、善政をしいて人々から慕われました。また戦車を発明し、一度戦争が起こると、それに乗って真っ先に敵陣に突っ込んでいく勇敢さも持っていましたから、彼の評判は世界にとどろいたと言います。