２１時南中は１月２６日で、正中高度は２０°です。うさぎ座の南に位置し、日本からの高度はあまり高くないですが、小さくまとまっているため意外に見つけやすいです。バルチウスが創設したものを、１８世紀にロワイエが採用した星座で、旧約聖書のノアの方舟に登場する鳩の姿です。しかし、実際の起源はギリシャ時代からあったものらしく、アレキサンドリアの神学者クレメンスの著書に出てきます。μ星は、オリオン座の美しい散光星雲Ｍ４２から２５０万年前に飛び出した青白色の若い星で、高速で南東へ移動しています。
地上に悪い人間が増え、戦いに満ちたのを怒った神エホバは、唯一善人のノアに命令して方舟を造らせました。ノアとその家族、全ての動物を一対ずつ乗せると、神は大洪水を起こして残った全ての生き物を滅ぼしてしまいました。４０日間も雨が降り続き、１年以上も続いた洪水も次第に収まり、方舟はアララテ山に着きました。大地に再び動物が住めるか調べるために放った鳩は、オリーブの枝をくわえて戻り、ノアは地上から水が引いて草木の命が甦っていることを知ったのです。方舟から出たノアは、神に感謝の祈りを捧げました。