21時南中は7月21日で、正中高度は50°です。単独では全88星座中11位、へび座と合わせると一番大きな星座となります。さそり座の上で大きく立ちはだかり、毒蛇を両腕に抱える古代の名医です。トルコ辺りでは、昔から蛇を神聖な生き物として崇めていました。蛇の強い生命力が、病気を治す力と関係があると信じられていたのです。トレミー48星座の一つです。黄道12星座には含まれていませんが、実際には太陽の通り道である黄道がこの星座を通っていて、さそり座よりも長く、太陽はこのへびつかい座で輝きます。
太陽の神アポロンとコロニスの子アスクレーピオスは、ペリオーン山に住むケンタウルス族のケイローンのもとで医術の勉強をし、ギリシャ一の名医となりました。死んだ人を生き返らせることさえできましたが、定められた人間の運命を勝手に変えることは、神々にさえ許されないことでした。怒った大神ゼウスは、アスクレーピオスを殺してしまいましたが、医者としての偉業を称え、星座に加えたのだそうです。以前は、アスクレピオンと呼ばれる病院で、蛇を使ったまじないや、ショック療法が行われていたと言います。