ヘルクレス座

21時南中は7月21日で、正中高度は85°です。かんむり座の東どなり、こと座とうしかい座との間に位置している星座ですが、全天で5番目に大きな星座のわりに目立ちません。目印は、胴体にあたるゆがんだH字形です。紀元前4000年ごろのシュメール時代には鎖でつながれた神様の姿が描かれていましたが、ギリシャに伝わって英雄ヘルクレスの姿となりました。トレミー48星座の一つです。星座絵を見ると、逆さまになっています。私たちの太陽系は、ヘルクレス座ο星に向かって動いていることが判っています。

星座物語

大神ゼウスとミケーネの王女アルクメネーの間に生まれたヘルクレスは、テーベの王女と結婚しますが、ヘーラ女神の呪いで錯乱し、妻と子を皆殺しにしてしまいました。従兄弟のアルゴス王に仕え、10年かかって12の大冒険を行うことで大罪を償い終わったとき、その名は英雄としてギリシャ中に知れ渡っていました。しかし、ヘルクレスが退治したケンタウルス族のネスソスが死の直前、後妻ディアネイラをだまし、毒のしみ込んだ服をヘルクレスに着させたのです。ヘルクレスは死を悟り、自ら炎の中に身を投じました。