21時南中は12月10日で、正中高度は75°です。アンドロメダ座の南、おひつじの角にあたる3つの星がへの字に連なるのが目印です。シュメール時代に作られた星座で、バビロニア時代には麦の穂を持つ農夫の姿を見ていました。フェニキア時代に現在のような羊の姿になったようです。トレミー48星座の一つであり、黄道12星座の1番目でもあります。今ではうお座に移ってしまいましたが、星占いが誕生したバビロニア時代にはここに春分点があり、星占いの最初の星座宮は白羊宮(牡羊座)となっています。
テーベの王子プリクソスとその妹ヘレが、継母イーノの策略で生け贄にされて殺されそうになったとき、兄弟の実母ネフェレーは大神ゼウスに助けを求めました。ゼウスは金色の毛を持つ雄羊を兄弟の元につかわします。その雄羊に兄妹がまたがると、雄羊は空高く舞い上がり、遠くコーカサスの山に近いコルキスの国を目指して飛び続け、そこの国王に手厚く迎えられました。プリクソスは神のお告げどおり、祭壇にその雄羊をささげ、その金色の毛皮はコルキスの神殿に飾られて、一睡もしない1匹の竜に守られることになりました。