21時南中は3月11日で、正中高度は75°です。ふたご座としし座の間に位置している、黄道12星座の中では最も暗く目立たない星座です。起源は古く、5000年前のバビロニア時代に登場して、紀元前7世紀にはすでに現在のような形の星座として知られていました。西暦120年ごろ、ギリシャの天文学者トレミーが書いた本の中に紹介されており、トレミー星座48個のうちの一つで、黄道12星座の4番目でもあります。4等以下の暗い星しかないものの、M44プレセペ星団と呼ばれる有名な星団があります。
アミモーネの沼に、1匹の化けがにと怪物ヒドラが住んでいました。ある日、ヒドラが英雄ヘルクレスに退治されそうになったのを見た化けがには、友だちが危ないと我を忘れて飛び出し、そのはさみでヘルクレスの足をはさみました。しかし、相手はギリシャ一の英雄ヘルクレスです。かなうはずもありません。逆にあっという間に踏みつぶされて、死んでしまいました。
プレセペとは、ラテン語でかいばおけ(牛や馬にやる枯草を入れる桶)を意味します。このプレセペの北と南にある星が、かいばを食べている2匹のロバとされています。これは酒の神バッカスと火と鍛冶の神ヘファイストスのものだったロバが、巨人族との戦いのときに、大きくいなないて巨人を驚かせた功績を称えて、かいばおけとともに天に上げられたのだと言います。