21時南中は5月8日で、正中高度は35°です。4つの3等星がうみへび座の上でゆがんだ台形を作ります。小さな星座で、しかも4等星の比較的暗い星ばかりですが、付近には星が少なく意外に目立つ星座です。紀元前1900年ごろのバビロニア帝国では、すでに誕生していました。しかし名前は残っているものの、どんな姿だったのかは判っていません。紀元前1200年ごろのフェニキアでは、現在のような姿になっていました。紀元前4世紀のアラートスの『ファイノメナ』にも記されており、トレミー48星座の一つです。
からすは銀色の羽を持ち、言葉を話し、音楽の神アポロンの使いとして、離れて暮らす妻コロニスの様子を伝えるのが役目でした。あるとき、寄り道をして遅くなった言い訳に、コロニスが浮気をしており、それをアポロンに告げようかどうか迷っていたと嘘をついたのです。怒ったアポロンはコロニスのところへ向かい、戸口の前の人影をコロニスの恋人と思い弓に射ました。しかし近寄ってみると、それはコロニス自身だったのです。アポロンは、からすに呪いの言葉を浴びせ、その姿を真っ黒に変えて言葉を奪ってしまいました。