21時南中は1月21日で、正中高度は55°です。赤色のベテルギウスと青白色のリゲルの2つの1等星の間に、ななめ一文字に3つの2等星(三つ星)が並ぶ整った形をしているため、冬の夜空で最も目立ちます。ベテルギウスは、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンと「冬の大三角」を描きます。紀元前1400年ごろのアッシリアでは、天の狩人座として知られていました。農業の神タンムーズの姿と考えられたこともあります。ギリシャの詩人ホメロスの詩にもうたわれ、トレミー48星座の一つでもあります。
オリオンは腕のよい猟師で、いつも狩りと月の女神アルテミスのお供をしていましたが、女神の兄であるアポロン神は、それが気に入りません。ある日、オリオンが海の上を歩いているのを見たアポロンは、こっそりオリオンの頭に光を投げかけると、妹のアルテミスに、いかにお前が狩りの女神でも、あんなに遠くの光を射ることはできないだろうと言いました。ムッとした女神は弓に矢をつがえるが早いか、ヒュンと射てしまいました。勿論、女神の矢は外れるはずはありません。やがて、海岸にオリオンの死体が流れ着きました。