21時南中は5月18日で、正中高度は85°です。北斗七星の南、北斗の柄と平行に並ぶ3等星と5等星が形づくる星座です。1690年、ポーランドの天文学者ヘベリウスによって新しく作られた星座です。うしかい座に連れられた二匹の猟犬が、北の空に輝くおおぐま座に向かって激しく吠え立てている姿になっています。α星は小型望遠鏡で見ることのできる二重星で、コル・カロリという名前がつけられています。これはチャールズ王の心臓という意味で、天文学者ハレーが王様をたたえてつけた名前だと伝えられています。
森の妖精カリストとその息子アルカスは、ゼウスの妃ヘーラ女神の呪いを受けて熊に変えられてしまいました。りょうけん座は、熊に変えられるまえにアルカスの連れていた、アステリオンとカーラという二匹の猟犬たちの姿と伝えられ、大熊に向かって激しく吠え立てています。大熊と小熊の尾が長いのは、ゼウスが空に上げるときに、慌ててしっぽを持ったためだと言います。ところが、カリストとアルカスが天に上がってからもヘーラの怒りは収まらず、二人は地面の下で休息することを許されず、北の空で回っているのだと言います。