うしかい座

21時南中は6月11日で、正中高度は80°です。6つの星がのし形に並んだ星座です。1等星アルクトゥルスは、全天で4番目、春の夜空では最も明るい星で、おとめ座スピカ、しし座デネボラと「春の大三角」を描きます。フェニキアで誕生した星座で、紀元前850年ごろのギリシャの大詩人ホメロスの叙事詩『イリアスとオデュッセイア』にも出てきます。トレミー48星座の一つです。これは牛飼いであるとともに、おおぐま座の番をする熊飼いの姿だとも、天をかつぐアトラスの姿だとも言われています。

星座物語

アトラスは、ギリシャの先住神である巨人の神タイタン族の一人です。タイタン族は、10年間に渡る、ゼウスを大将とするオリンポスの神々との権力争いに敗れました。アトラスは、罰として天を肩に乗せて支える役目につかされたのです。一度はヘルクレスに天を担いでもらいましたが、また天を担ぐことになってしまいました。その後、メデューサの首を持って通りがかったペルセウスに頼んで、自分を石にしてもらい、天を担ぐ苦痛から開放してもらったそうです。マウリタニア北部にある山脈が、アトラスだと言われています。