21時南中は8月26日で、正中高度は60°です。1等星アルタイルをはさんで、ほぼ一直線に並ぶ三つの星が目印です。アルタイルは、こと座のベガと天の川をはさんで向かい合い、夏の夜空では2番目に明るく輝いています。わし座のアルタイル、こと座のベガ、はくちょう座のデネブを結んでできる大きな二等辺三角形を「夏の大三角」といいます。古代バビロニア時代にはすでに知られていた古い星座の一つで、バビロニア時代には、神がワシを抱いた姿で表わされていました。トレミー48星座の一つです。
大神ゼウスの父クロノスは、子どもが産まれると次々に飲み込んでしまいました。母レイアは、せめて一人だけは助けたいと思い、ゼウスをクレタ島の山中にあるイーダの洞窟に隠しました。わし座のワシは、幼いゼウスがアマルティアという山羊の乳と蜜蜂の蜜で育てられていたとき、神酒ネクタルをくわえて運んできた大きな黒ワシだと言います。のちに大神ゼウスの打ち出す雷電の武器を携えているようになり、ゼウスの使いをしながら、毎日下界を飛び回っては、色々なニュースを伝える役目をしていたと言われます。