笠雲とは山頂にあたかも笠をかぶったような、山頂や稜線を包むように現れる雲です。
富士山の笠雲は大変美しいものです。
水蒸気多く含んだ強い風が吹きつける(上層の空気の流れが強い)と、風上側の山腹に沿って吹き上がり上昇気流が起き、
それが山頂に来ると冷やされて雲を発生します。こうした雲が見られるときは、低気圧が近づいてきて湿った強い風が
吹いているときなので、やがて雨が降り出すことが多いです。静かにとまって見えるのは、風上側で常に雲が発生し
風下側で雲粒が消えてゆくためです。
笠雲が現れるときの気圧配置はほとんど決まっているため、的中率は高く、80パーセント以上と言われています。
ただし夏には谷風による似た雲が発生します。頂上近くの周囲に均等に雲がかかっているときは天気がよく、
風の静かなときなので笠雲が見えても雨が降らないこともあります。
富士山は遠くから見られるので各地で利用されていて、低気圧が近づくとさらに低い山々の頂が雲で覆われます。
またこのことわざは、富士山のように独立峰(高い山がまわりにない山)で笠雲ができる山なら、
富士山以外でもいえます。