朝雨に蓑いらず(朝雨は女の腕まくり)

夏の空気は水蒸気を多く含んでいるので、日が沈んで気温が下がると、水蒸気が水滴になり雲ができます。 そして翌朝、日が昇ると気温が上がり、雲が消えるのです。そのため、朝雨はすぐやむことが多いのです。 最近では、“朝雨に傘いらず”というほうが自然かもしれません。
“朝雨は女の腕まくり”とは、女性が腕まくりをしても大したことではないということと、 朝雨が大した雨ではないということを掛けていますが、現在ではどうでしょうか。

浅間山の煙が北西に上がると雨、南に下がれば晴れ
(浅間の煙が西に傾くときは雨、東なら晴れ)

浅間山の噴煙も阿蘇と同じで煙が北西へなびいているときは南東風が吹き付けていることを あらわしています。 浅間山で北西へなびいているときは低気圧が関西方面に近づいているときなので天気は悪くなります。 南になびいているときは低気圧や前線が通り過ぎて、北または北西の風に変わったときなので晴れやすいです。 但し冬は北西の季節風が弱まると谷風が南東の風となって煙が北西に流れても、穏やかな晴天が続くことがあります。

阿蘇の煙が(北)西になびけば雨、南になびけば晴れ

火山の煙を使ったことわざは、その煙が地形の影響を受けず、その時の大気の流れを正確に示しているので、 80〜90パーセントという高い的中率を持っています。 日本付近では低気圧も移動性高気圧も、西から東に移動するものが多いのですが、低気圧は左巻きの大きな渦なので、 低気圧が南から近づくと、その前面では東よりの風が吹きます。つまり煙が東から吹かれて西になびく時は低気圧が 接近しているときです。逆に低気圧が通過してしまったあとは北よりの風が吹くようになり、煙は南になびきます。

阿蘇で南風や東風のために煙が北や西になびいているときは西の方から低気圧が接近しているときで、 逆に南になびいているときは低気圧が通過した直後か、大陸から高気圧が張り出してきて北風が吹き始めた時なので よい天気が続きます。このことわざの的中率は高く、熊本市で80〜90%ぐらいといわれています。

日暈(ひがさ)、月暈(つきがさ)が出ると雨

日暈、月暈というのは薄曇りのとき、太陽(日暈)や月(月暈)を中心にできる、白または 多少赤みがかった二重の光の輪のことです。 これは空の高いところにある巻雲や巻積雲(水滴でなく小さな氷晶でできています。)に太陽や月の光が当たって、 雲を作る氷の結晶がプリズムの働きをして反射、屈折するために起こります。巻雲や巻積雲等の高層雲は、 低気圧の前面や側面に現れることが多いので、やがて雨が降るというのです。 しかし、巻積雲は低気圧の一番外側にあるため、低気圧がかすった場合でも日暈、月暈は出ますが雨は降らず 晴天となります。低気圧が来るときは白い絹雲が現われ巻層雲が現れさらに低く濃い中層雲か層雲が現れて 天気が悪くなります。
日暈、月暈が出て雨が降る確率は、翌日で60〜80%ぐらい、24時間以内では20パーセント以下といわれています。

    関係するリンク>>>巻雲、巻積雲について

飛行機雲が立つときは雨が近い

飛行機雲は、飛行機のエンジンから出る排気ガスと水蒸気のよるか、翼や機体による空気の膨張や乱流が 原因でできます。つまり上空温度が低く(氷点下約30℃以下)、水蒸気があればいつでも発生するものです。そこで、 大気中の湿度が高いからといって必ずしも雨になるとはいえないので、このことわざの的中率はあまり高くないそうです。

星がちらちらすると雨

星の瞬きは、性質の違った空気層による屈折のずれ(比較的温暖な空気層と寒冷な空気層)からくるもので、 大気中の空気の流れが乱れていることをあらわしています。 星の光が瞬くのは人の目に入るまでの大気によるもので、寒冷な空気と温暖な空気が接して空気の不連続面 (違う性質のものがぶつかって性質がそこで急に変わります)が作られると、その面がプリズムの役割をして光の 集まった部分と光が広がった部分を交互に作り光がいろいろな方向に曲げられるのでちらちらと見えます。
この乱れは、低気圧や気圧の谷がくる直前に起こることが多いので、雨の兆しとなるというのです。ただ時または 場所によって違いますが、星が見えれば必ず瞬くのでこのことわざは普段から星の瞬きを観察していることが 必要となります。ある特定の星が、いつもより激しく瞬いていれば前兆となるといえます。
山頂や稜線上からならば地上の光源(=光のもと:電灯、山麓の光)でも利用することができます。

星がきらきら輝くと大風の前兆(星が瞬くと日中風が強まる)

星の瞬きは、上層の空気の乱れ(空気の密度の濃い所と薄い所)による屈折のずれから光の強さや 色が変わることによって起こるもので、大気中の空気の流れが乱れていることをあらわしています。 この乱れが、日中、日射が強くなると対流が盛んになって、上空の強風が降りてくるので、 地上でも風が強くなるのです。

    関係するリンク>>>星がちらちらすると雨

富士山が笠をかぶれば近いうちに雨

笠雲とは山頂にあたかも笠をかぶったような、山頂や稜線を包むように現れる雲です。 富士山の笠雲は大変美しいものです。
水蒸気多く含んだ強い風が吹きつける(上層の空気の流れが強い)と、風上側の山腹に沿って吹き上がり上昇気流が起き、 それが山頂に来ると冷やされて雲を発生します。こうした雲が見られるときは、低気圧が近づいてきて湿った強い風が 吹いているときなので、やがて雨が降り出すことが多いです。静かにとまって見えるのは、風上側で常に雲が発生し 風下側で雲粒が消えてゆくためです。 笠雲が現れるときの気圧配置はほとんど決まっているため、的中率は高く、80パーセント以上と言われています。 ただし夏には谷風による似た雲が発生します。頂上近くの周囲に均等に雲がかかっているときは天気がよく、 風の静かなときなので笠雲が見えても雨が降らないこともあります。
富士山は遠くから見られるので各地で利用されていて、低気圧が近づくとさらに低い山々の頂が雲で覆われます。 またこのことわざは、富士山のように独立峰(高い山がまわりにない山)で笠雲ができる山なら、 富士山以外でもいえます。

猫が顔を洗うと雨

よく言われることわざですが、理由や本当に当たるかどうかは良く分かりません。
ただ、ひとつ面白い説があります。雨が近くなって湿度が上がると、猫の毛が伸びてそれが皮膚に当たって かゆくなるから顔を洗うというのです。どう思いますか。

西穂高岳で焼岳の匂いがすると雨になる

西穂高岳は長野県と岐阜県の境、北アルプス連峰にある山です。焼岳はその南西にあります。

西穂高岳で南西の焼岳の硫黄の匂いがするのは比較的南風が強いときです。 アルプスの高い山の山頂や稜線(=尾根:山の峰と峰を結んで続いている線)で南風となるのは強い低気圧が 接近しつつあるときで天気が悪くなります。 ちなみに北アルプスでは逆に北風になると天気がよくなります。

筋雲東へ進めば晴天続く(煙が東にたなびけば晴れ,西にたなびけば雨)

筋雲は、高さ8000メートル以上の高いところに発生する巻雲のことです。この雲のなびく向きは、 上層の空気の流れを表していて、西風が吹いていると、西から東にたなびきます(煙でも同じです)。 冬に西高東低の気圧配置となって西風が吹くときは、日本列島はシベリア大陸の高気圧の勢力下に含まれるために、 南または南西から低気圧が近づくことができず、日本列島は高気圧に覆われ晴天が続くことになります。 ただ地形の影響で各地で西風が吹くと決まっているわけでもなく、また西高東低の気圧配置では、日本海側、 特に山沿いの地域はシベリア寒気団の季節風による雪が降るので、的中率はあまり良くありません。

    関係するリンク>>>巻雲について

トビが高く飛ぶと晴れ、低く飛ぶと雨

トビ(鳶)は、気流をうまく利用して飛んでいるため、羽ばたかないでも飛ぶことができます。 晴れの日は、日射(太陽から来る光)が強いので地面が暖まって地表近くの空気が暖め、上昇気流が起こり この気流に乗ってトビは高いところを飛びます。また、トビは飛びながらえさを取るので、空気の透明度が高い 晴天の日には、高いところを飛ぶ方が視界が広くなって都合がよいのです。このような時は移動性高気圧に 覆われている時で晴れることが多くなります。逆に低気圧が近づいて上空の風が強くなっている時や水蒸気で 視界が悪くなっている時は、低いところを飛ぶのです。このような時はやがて雨になります。 ただ、トビの飛び方は実際に晴れたり、天気が悪くなっていることによるので、 予知しているとは言えないでしょう。

朝焼けは雨、夕焼けは晴れ

夕焼けで空が赤くなるのは、太陽が地平線近くにあって、太陽光線が分厚い空気層を斜めに通過するため、 空気層がプリズムの働きをして光線のうち波長の長い赤色光以外を散乱させてしまうためです。日本の天気は、 偏西風の影響で西から東に移動するため、西の空が晴れている夕焼けでは次の日は晴れになるといいます。 一方、朝焼けは、空気中の湿度が上がって増えた水蒸気によって光が散乱されて、空がピンク色から紫色に近い色に 染まるといわれています。 有名なことわざですが、実際は経験的にいわれている部分が強く、当たる確率は意外と低く、60%ぐらいと いわれています。 確率を上げるには、そのときまわりにある雲を見るといいといわれています。薄い雲が浮かんでいれば晴れ、 低気圧に由来する厚い雲があれば雨になりやすいです。

 

Copyright(C)2001-2006 ThinkQuest@Japan Team 40457 all rights reserved | Legal notice



Menuへ戻るカテゴリ−選択へ戻る