数値予報とは、観測データからスーパーコンピューターを使って将来の大気を予測するものです。観測から得られた現在の大気の状態(風速・風向、気圧、気温、水蒸気量 etc...)を物理法則の方程式に入れて計算します。あらゆる気象条件を組み込むため、高性能なスーパーコンピューターが不可欠です。
天気図を解析して出す予報は、大気の立体構造を理解し、豊富な気象知識や経験を持つ予報官の手が必要です。一方数値予報は、予報官の手を借りずにコンピューターで客観的、合理的に解析できるため現在多くの予報に利用されています。
数値予報は数値として結果が出るものなので、数値予報を行うときは、地球のまわりを細かい格子網で覆い、その格子点上の数値を計算することになります。
大気には国境がないので、遠い地域の大気の状態も数日後には日本の天気に影響を与えます。このため、週間天気予報のような少し先の天気予報では全球モデル(地球全体を覆う網状モデル)が必要となります。
一方、数日先までの天気予報では、領域モデル(日本周辺の狭い地域覆う細かいモデル)を使って、日本の周辺に発生する気象現象をできるだけ詳しく予測します。(数値予報モデルが予測できる気象現象の規模は格子間隔によって決まるので細かい方が正確になります。)
観測データが集まって来ます。
品質管理 データに間違いがないかコンピューターで検査します。 |
客観解析
不規則に分布した観測データから、規則的な格子点上の大気の状態を求めることを客観解析といいます。数値予報をするためには、3次元すべての格子点(網目の交わる点)で、ある時刻の気温、風、水蒸気量などの大気の状態(初期値といいます)を与える必要があります。そのため数値予報モデルと観測データを合わせてデータのない地点や時間のデータを求めます。
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<解析予報サイクル> |
数値予報 数値予報モデルとは、様々な自然現象を法則化してプログラムにしたものです。 |
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出力 格子点上の計算結果の数値を図にします。 |