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バロック哲学
この時代の多くの哲学者は、存在はつきつめれば精神的な、霊的なものだとみなす「観念論」の立場に立っていた。この「観念論」の反対が「唯物論」である。そして、その唯物論を提唱した哲学者の中でも最も影響力が大きかったのが17世紀イギリスの哲学者トマス・ホッブズである。しかし、ホッブズが全ての現象を物質でできた部品の寄せ集めとしたのに対し、ライプニッツは物質的なものと違い精神的なものは小さな部品に分けることができない、とした。また、唯物論の思想家として、後に19世紀にはカール・マルクスが現れ、史的唯物論を唱える。
理性が知の源だとする考え方。人間には生まれつき備わった観念がある、と考えている場合も多い。古代ではソクラテスやプラトンがこの考え方であった。17世紀における合理主義哲学者の代表はルネ・デカルト(A.C.1596〜1650)、そしてそのデカルトに影響を受けたバルフ・スピノザ(A.C.1632〜1677)である。また、上記に挙げたライプニッツも合理主義者である。
感覚的経験をしないうちは人間は意識の内容など持っていない、とする考え方。人間のあらゆる観念を洗いなおして、現実の経験に裏打ちされているかどうか見極めなくてはならない、と考えた。18世紀哲学の主流となった。この思想の代表的人物はフランシス・ベーコン(A.C.1561〜1626)、ジョン・ロック(A.C.1632〜1704)、デイヴィッド・ヒューム(A.C.1711〜1776)、ジョージ・バークリ(A.C.1685〜1753)。 近代哲学
18世紀には多くの思想家が誕生している。その中でも啓蒙主義はモンテスキューやヴォルテール、ジャン・ジャック・ルソーらを生み出した思想である。こうした啓蒙主義者たちは、人間の理性に揺るぎ無い信頼を寄せ、モラルや倫理や宗教についても人間の普遍の理性に叶った土台を作ろうとした。「自然へ帰れ」を合言葉とした。ここでの自然とは理性とほぼ同じ意味である。
18世紀から19世紀にかけてのドイツの思想家たちの思想で、外界の事実よりも自我や意識や精神に重きをおき、自我の道徳的な活動の面を強調し、その完全な実現を図ろうとした。代表的哲学者には18世紀の哲学の体系を作ったドイツのインマヌエル・カント(A.C.1724〜1804)がいる。
観念論の中に含まれる思想で、自我を極端に尊重する個人主義思想。芸術の天才がこの思想の代表者だとも言われる。遠い東方の文化や闇、怪奇、神秘などに関心を集めた。人生を味わうこと、或いは人生から逃れる夢を追うことを理想とした。啓蒙主義の機械的、理性的な世界観を批判した。また、自然はたった一つの大きな私であるとする「世界精神」的思想であった。代表的哲学者はフリードリヒ・ヴィルヘルム・シェリング(A.C.1775〜1854)、ヨーハン・ゴットフリート・ヘルダー(A.C.1744〜1803)、ヨーハン・ゴットリープ・フィヒテ(A.C.1762〜1814)、ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル(A.C.1770〜1831)。 ・実存主義 汎神論や歴史主義等による「世界精神」的思想を批判し、個人の実存、つまり個人が事実どう存在するかに重きを置いた思想。理性で神をとらえようとする立場を批判し、真理は主観的で個人的なものとした。代表的哲学者はセーレン・キルケゴール(A.C.1813〜1855)。
意味のあるものなど何も無いのだから、何をしても許されるとする思想のこと。代表的哲学者はバクーニン(A.C.1814〜1876)。 |
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