助動詞の活用1

つづいては助動詞です。助動詞は、古文から現代にかけて大きな変化をした品詞で、
よって現代語との違いも大きなものになっているので感覚がつかみにくいかもしれません。
そのため、助動詞を会得することは古文をマスターする上で重要です。頑張りましょう。

◎助動詞とは?

助動詞というのは、品詞それ自体には意味を持たず、一文節となることも出来ませんが、活用のある付属語で、付いた語にある意味を与える、という品詞です。
1.意味、2.活用、3.接続の三つが三要素で、それぞれについて説明すると、

1.意味・・・その助動詞が付いた語に持たせる決まった意味のこと
2.活用・・・動詞と同じように、助動詞一つ一つに未然、連用、終止、連体、已然、命令の6つの活用形を持っています。
3.接続・・・接続というのは、助動詞に付かれる語が、その助動詞によって形を決められているのですが、その形を言います。「ぬ」だったら「連用形」というようなことです。

とりあえず、助動詞にはどんなものがあるか、意味とともに見ていきましょう。

◎助動詞の種類

まずは意味で分類してみます。こういうものがあるんだ、と見ておいてください。

意味 助動詞 現代語訳 (例)咲くと活用
受身、尊敬、可能、自発 ・らる 〜(さ)れる 咲か
使役、尊敬 ・さす・しむ 〜させる 咲か
過去 ・けり 〜た 咲き
推量(未来) ・べし・らむ・けむ・まし・たし・めり・らし・まほし・なり 〜だろう 咲か
完了 ・ぬ 〜(して)しまう 咲き
進行(存続) たり・り 〜ている 咲きたり
断定 なり・たり 〜だ 咲くなり
比況 ごとし 〜のようだ 咲くごとし

助動詞には主にこのようなものがありますが、接続について少し説明すると、(例)の『咲くと活用』の部分を見てください。
咲かる、咲きき・・・助動詞『る』『き』の前の『咲く』が、「咲か(未然形)」「咲き(連用)」に変わっています。これはその助動詞によって上につく動詞の形が決まっているからなのです。
つまり、受身の助動詞『る』には絶対に未然形の動詞が付き、過去の助動詞『き』には絶対に連用形の動詞が付くのです。

この決まりを接続と呼び、助動詞には種類によって様々な接続があるのです。

現代語でも、『〜(さ)れる』という言葉がつくと、動詞の形が変わりますよね。
殴るだったら、『殴られる』。れるの前には『殴ら(ず)』つまり未然形がついていますよね。こういうことなのです。

◎助動詞の種類2

今度は、接続による分類をしてみます。

接続 助動詞
未然 る・らる・す・さす・しむ・ず・む・むず・まし・じ・まほし
暗記ゴロ む・ず・むず・す・る・じ(ん)・まし・(んで)まお(ほ)し・(り)・(かゆい)
連用 き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし
暗記ゴロ き・つ・ね(ぬ)・けむ・たし・けり・たり
終止 べし・らむ・めり・らし・まじ・なり
暗記ゴロ らむ・(ちゃん)・まじ・めに(り)・なる(り)・べし
連体 なり・たり
已然    

暗記用のゴロも付けてみたのですが、わかりにくいので説明をしておきます。

未然→
むずむずするジンマシンでまぁおしりかゆい です。『まぁおし』が『まほし』になる部分が分かりにくいので覚えておいてください。
連用→
キツネけむたし蹴りたり キツネの『ネ』が『ぬ』です。
終止→
ラムちゃんマジメになるべし  マジメにの『メに』が『めり』です。

暗記ゴロもいいのですが、本来なら動詞をその助動詞の上に付けてみて、『咲かる』『咲きぬ』と言えるようになると接続を覚えるには楽だと思います。
なんとなくで分かってしまえば、暗記もすることないので、そうなれるよう頑張りましょう。


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