3線式軌道を選んだ理由

現在では新幹線のレール幅は1435mmで、在来線のレール幅は1067mmです。
青函トンネルを作る際に将来新幹線を通すという計画がすでにあったので、青函トンネルのレールをどちらにも対応させる必要がありました。そのためには、レールを3線式軌道あるいは4線式軌道といった、軌道構造が必要でした。
 3線式軌道とは、簡単にいうと片方のレールを標準軸として、もう片方にそれぞれに対応する幅のレールを付けることで、どちらにも対応した構造のことです。これには現在のレール締結装置である直結8形をほとんどそのまま使用することが可能であり、また在来線のみが走る一般区間から新幹線も走れる共用区間との分岐点から考えると、3線式分岐方式であるこの軌道方法は現在の技術及び構内配線をほとんど使用できるという長所がありました。
 4線式軌道とは、在来線用のレールの外側に、新幹線用のレールを作るという方法です。ここだけで考えると、それぞれが双方に対応してるという構造なので4線式軌道の方が良いだろうと思えますが、この軌道にはさまざまな問題があるのです。それは、4線にすることで、内側、外側どうしの隣接レール間の間隔が狭くなり、今までのレール締結装置や絶縁の方法では設置することが不可能ということです。また4線式の場合、分岐方式の面でも今までの技術や構内配線では作れない構造なのです。つまり、複雑な構造に対応した新しい技術の開発が必要なのです。これには、製作コストや、新しい技術開発の時間というものがかかるという問題があったのです。
これらの面から、青函トンネルでは3線式軌道を採用しました。
現在は、在来線のみなので、外側の新幹線用レールは取ってあります。


これは在来線と新幹線が通るイメージです。これが青函トンネルに採用された3線式軌道です。

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