デ リ ー の フ ー マ ユ ー ン 廟    

ペ ル シ ア の 建 築 美   そ し て 心 優 し き 王 の 墓

デリーから南東に約6キロほど行ったところに、デリーのフーマユーン廟はある。

ムガール帝国の始祖、バーブルは、温厚誠実な人であった。
バーブルは自分の子のフーマユーンを溺愛し、フーマユーンに自分の地位を継がせようと考えていた。
バーブルの死後、彼の望みどおりフーマユーンが後を継いだが、フーマユーンはとても王としての器量を持ってはいなかった。
心の優しい彼は、父のような果断力もかけていたのだ。
父が築き上げた大切な領土を、彼は立った10年でほとんど失ってしまう。
その後、彼はインドを転々と流浪した。
その旅は15年にもおよび、その後デリー奪回に成功したあと、彼は書庫から出る際に石段から足を踏み外し、3日後に死去というなんとも異妙な最後を遂げた。

フーマユーン廟は妃によって立てられ、10年がかりの大作業だった。
大理石と赤砂岩をふんだんに使い、いっぺんが80メートルの基壇と、4面どこから見ても同じという廟堂からなる。
ペルシア建築の美しさをまとい、いまも静かに、ヤムナー川沿いにそびえたっている。

1993年に登録された。

←バック