マ ナ ス 野 生 生 物 保 護 区    

湿 潤 な 気 候   絶 滅 の 危 機 に 直 面 す る 動 物 の 棲 家

マナス野生生物保護区はアッサム州のグワハティの北西にある。湿気の多い草原、熱帯雨林がほとんどを占め、絶滅の危機にさらされている動物の宝庫である。

インドサイ、インドゾウなどの大型哺乳類。そこにはマナス川の河原をゆっくりと移動するスイギュウの姿も見られる。
インドのバッファローと呼ばれるガウル、太陽の光に当たると金色に光るゴールデン・ラングール。
世界最小のイノシシであるコビトイノシシなどは、全滅したと噂されたが、今もここ、マナス野生生物保護区で静かに暮らしている。300種以上の野鳥が、その空を羽ばたく。
どうしてこれほどまでに、動物たちが豊富なのか。それは、マナスの気候が関係している。
温暖で湿度も多く、森や草原が多い。また、人間による干渉が少なかったこともひとつの要素である。

しかし、マナスでは1989年から、反政府ゲリラによって保護区も攻撃の対象とされてしまった。
危険性のために放棄されたその保護区を、密猟者が襲った。
そのため、ユネスコは急遽、マナスを「危機に瀕している世界遺産リスト」に追加。ゲリラの勢力も弱まり、一端の終局を見た。
しかし、いまでも密猟者が途切れることはなく、その数は正確には確認されていない。
早急に、管理体制の復旧が叫ばれている。

1985年に登録された。

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