サ ー ン チ ー 仏 教 建 造 物 群    

草 木 の 中 に あ っ た 古 代 遺 跡 は   仏 教 へ の 信 仰 の 証

インドのほぼ中心、デカン高原の北側に、小高い丘がある。
その中にある古代遺跡が発見されたのは、1818年のことだった。

そこにあるストゥーパとよばれる仏教の塔は50にも上り、それらを作り上げたのはマウリヤ王朝のアショカ王である。
ストゥーパとは、梵語で高く顕われると言う意味であり、日本ではそれは音訳され、卒塔婆(そとうば)という。
統一国家のために大量の犠牲を払ったことを悔やんだアショカ王は、平和を願い仏教に帰依した。
仏教を国家統治の基本とし、仏教を広めていった。
しかし、その後のイスラム教勢力の拡大によって、仏教は廃れていった。サーンチーの仏教建造物群も、徐々に忘れられた存在となっていった。廃墟となるのも時間の問題であった。
1818年に発見されても、盗掘者などの被害にあい、1919年にイギリスの考古学者によって丁寧に復元された。

サーンチーの建造物群の中でもっとも大きいのが第1ストゥーパ。それは当初レンガ積みであったのを後に基地石を積んで拡大したのだという。基壇は直径約36メートル。
他、丘の中腹にある第2ストゥーパ。第3ストゥーパもある。

1989年に登録された。

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