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屋久島にある屋久杉は、普通に考えて、そう簡単にできるものではない。
日本での杉の南限が屋久島で、一般に樹齢が300年ほどと言われている杉が、2000年、3000年もの長寿の杉になるのは、年間4,000mmから10,000mmもの多雨に恵まれている屋久島の特殊な自然環境と、屋久杉の樹脂の特性があってこそのことである。
山頂付近では、冬の気温はマイナス10にまで下がり、雪の姿も見られる。
屋久島は非常に多くの降雨のある地域で、そのわけは、黒潮の本流に囲まれ、それでいて高い山の多い屋久島では、近海からの水蒸気が山の斜面を上昇して雲となり多量の雨を降らせるからだ。1999年の全国主要観測地点154カ所の内、屋久島が最多の降雨量となり、年間降水量が6294.5mmを記録した。 季節的には春先から梅雨にかけての降雨は多く、
夏や秋は台風が来なければ比較的降雨量も少なくいのですが、1mm以上の降水がある日数は低地で年間170日もある。
屋久島山中になると1万mmを超すともいわれている。
そのような気候があるからこそ、あの大木が今も姿を現しているのである。
1400年前、地下十数kmの深さでマグマがゆっくりと冷え固まってできた岩石(花崗岩)が少しずつ浮き上がって来て、屋久島が出来た。
つまり、屋久島の土台は花崗岩であるといえる。
通称、樹齢1000年以上の杉だけを屋久杉と言い、1000年以下を小杉、植林の杉を地杉、というように、ちゃんと区別している。その屋久杉は、標高にして600m以上から1300mくらいの所に多く自生し、1200m前後に巨大杉が見られる。
また、屋久島にすむヤクサルは一般のサルよりひとまわり大きく、また、黒潮にのって多くの海ガメが産卵に訪れる。
また、近年増加する観光客の中で、屋久島の環境の悪化が叫ばれている。
そのため、人のためではなく、自然のために小道を整備し、トイレなども作られた。
1993年に登録された。
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