カ ト マ ン ズ の 谷    

ヒ ン ド ゥ ー 教 と 仏 教 の 三 王 国

現在のネパールの首都がある場所は、カトマンズ盆地という。
14世紀、マッラ族のスティティ=マッラ王は、マッラ朝を確立。
このころから、仏教とヒンドゥー教が融合された建築、工芸が生まれていた。
しかし、15世紀後半、マッラ朝が分裂し始め、とうとう、3つの分かれてしまった。
その3つの国は、マッラ三王国と呼ばれている。

三王国は、カトマンズ、パタン、バードガオンという名前である。
三王国は、それぞれの政治的優位、文化的優位を争った。
そのために、現代に残る、優れた建築物が作り出されたのだ。
各都市は、ネパールの伝統的な建築様式であるチョクという様式で、また、レンガと木によって作り出されている。
チョクというのは、中庭と層状の塔を組み合わせた建築様式である。
また、各都市の中心には"ダルバール"「宮殿」と呼ばれる広場もある。

カトマンズの王宮には、三重の塔であるタレジュ寺院、マサン・チョクの中庭には三重の塔、デグ・タレ寺院が建っている。
パタンの王宮には、西に寺院、北に休み屋、ヒティという水場がある。
バードガオンの王宮は、他の二都市と違い、王宮と広場が分かれている。王宮の窓は、木彫りであり、「五五の窓」といわれている。広場には、ニャタポラ寺院という、カトマンズ盆地でいちばん美しいといわれる五重塔が建っている。

その後、18世紀に、マッラ三王国はグルカ王国によって滅ぼされたが、滅ぼされた後でも、すばらしい建造物を生み出している。

1979年に登録された。

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