テ ィ ー ル    

フ ェ ニ キ ア の 都 市 は  今 も 静 か に  海 底 に 眠 る

ティールは、首都ベイルートから南に約80キロいったところにある。

ティールの街の歴史は、紀元前2750年までさかのぼる。そのころのティール人は、島という天然の要塞に守られ、穏やかに暮らしていた。
しかし、その後紀元前970年ごろには、フェニキア人の王ヒラム王がティールに進出し、沖合いの島々を次々につなげてしまった。
そのためティノールは彼らによって侵略されてしまう。
フェニキア人はティールの港を拠点とし、イスラエルのソロモン王やダビデ王と親睦を深め、さまざまな貿易を行った。
その勢いはローマ帝国に敗れるまで続き、そのときのティールを「ならぶ者なき海の女王」と、聖書はしるす。
その後、幾度か外敵からの難を逃れるも、紀元前332年、マケドニアのアレキサンダー大王により、ティールは大破、人々は3万人も虐殺されてしまった。こうして、ティールはいったん、滅びの経路をたどる。

現在残されている遺跡は、ローマ時代の競技場、そして凱旋門、劇場などである。ネクロポリスも見られる。
フェニキア時代のものはすべて水没し、海の中に身をおいている。
フェニキアによって繋がれた島々も、今では見ることはできない。

1984年に登録された。

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