シリア砂漠の中心に位置し、世界でも最大級の隊商都市として紀元前から繁栄した。パルミラとは、ギリシャ語でナツメヤシの生い茂る街、という意味である。
106年にぺトラがローマによって併合され、その代わりとして3世紀ごろまで貿易路として使われた。その後絶世の美女と呼ばれた女帝ゼノビアが267年に即位、クレオパトラの末裔だと自称した彼女は、272年にローマ軍との戦いに敗れ、同時に都市は滅びた。
パルミラの中でも有名なのがベル神殿である。ベル神は、レバノンで言うとバール神と一致し、フェニキア時代から信仰されていた。
神殿は東西210メートル、南北205メートルで、1〜2世紀頃にベル神に捧げるために建造されたといわれる。安置所と中庭を囲む壁や、円柱などは今も現存している。
その神像の安置所は2箇所あり、太陽神や月の神等を、ベル神が従えるような形を取っている。またその祭壇の天井には、バラの彫刻や、幾何学模様が彫られており、それはイギリス新古典主義として復活した。
また、神殿を囲む回廊の天井には植物、食べ物、人間が彫られており、それはパルミラ芸術の表れだという。
1980年に登録された。 |
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