ネ ム ル ッ ト ・ ダ ウ    

ギ リ シ ア の 神 々 の 像   そ し て コ ン マ ゲ ネ 王 の 墓

アンティ・トロス山脈の南部、標高2150メートルに、ネムルット・ダウはある。

ネムルット・ダウが発見されたのは1881年のこと、それは石彫りであり、石を円錐状に積み上げ、高さ50メートル、直径150メートル。人工的と確信させるそれは、東、西に5体ずつ、それぞれ鷹と鷲の石造に両脇を守られ、ギリシアの神々と思われる神像には皆頭部がなく胴体部分は8メートル、大きいものでは1メートルに及ぶ。
それらの下にあるテラスには、地震で落ちたと思われる神像の頭部が落ちていて、それは2メートルもの大きさ。

紀元前2世紀からネムルット・ダウ山麓で繁栄を極めた、コンマゲネ王国のアンティオコス一世の墓。その墳墓を飾るのが、まぎれもなくこのネムルット・ダウである。
コンマゲネ王国は、アレクサンダー大王の死後、発展した。強国に臣従する期間の後、シリアとの争いも鎮圧され、アンティオコス8世の皇女とミトリダテス1世との子が、王位を継ぎ、彼はアンティオコスと名乗った。
アンティオコスはローマから自由を獲得し、鉱物資源を中心として財力を蓄積させた。

神像はヘラクレスやゼウスなど、ギリシアの神をかたどったものが多く、その中のひとつに、アンティオコス1世の姿も見られる。
アンティコオスはなぜネムルット・ダウの山頂にこのようなものをつくったのか、それはいまだわからない。

1987年に登録された。

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