ノーベル賞のメダルについて

「財団規約」第九条:「賞金額に相当する小切手、賞状およびノーベルの肖像と適当な銘文を刻んだ金のメダルが与えられる。」

これに見るように、ノーベル賞により受賞者は、賞金額証明書、賞状、金メダルの三つが与えられます。賞状の内容は、毎年発行される、「レ・プリ・ノーベル」に公式に記載され、メダルは第一回のデザインが、今まで踏襲されています。直径6.5cmの円形、23金でほぼ純金(ちなみに受賞者はそっくりの金メッキの模造メダルを自腹で作ってもらえる)。メダルの表は全賞統一でノーベル氏の横向きの上半身の肖像ですが、裏は各賞で違うデザインになっています。平和賞以外の五賞は、スウェーデンで受賞されますが、平和賞だけはノルウェーで受賞されます。平和賞以外の五賞には

「人生が技芸の発明によって美しくなるのを快く眺めんことを」

と刻まれています。デザインは、スウェーデンの彫刻家、エリク・リンドベリのものです。

物理、化学、経済学の三賞は、メダルが「科学の女神が、自然の女神のベールをはがそうとする図柄」で

生理・医学賞は、「医学の神が、やんだ乙女の渇きを癒すため、岩間から流れる水を器に汲んでいる図柄」、

文学賞は、「一人の青年が、、ミューズの女神の奏でる音楽を月桂樹の下で聞いている図柄」で構成されているそうです。

平和賞のデザインは(ノルウェーで開かれる)はノルウェーの彫刻家グスタフ・ヴィーゲラントのものです。

表はほかと同じで、裏は「三人の男が腕を汲んで輪を作っている」図柄になっています。ラテン語で「真の平和と博愛のために」とメダルに刻まれているそうです。

賞状はアカデミーの責任で作成され、賞によりデザインが異なります。選考責任者の署名が必ずあるそうです。賞状は二つ折りで、開くと、左が絵、右が受賞者名と、簡単な受賞理由が書かれてあります。絵は肉筆で、各アカデミーが、毎年スウェーデンの画家を選び、受賞者ごとに一点水彩画を規定サイズで描かせたものだそうです(レプリカも2つ作る)。たとえば、福井氏が受賞した時は、クロッカスを書いた「春のサフラン」という絵でした。ちなみに、生理学医学賞の受賞メダルは表面の写しです。利根川氏のときもメダルの図柄だったそうです。