| ノーベル賞が成功した理由 |
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市庁舎(晩餐会が行われる)・(株)日本旅行提供・著作者 吉田 新子
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| (1).最初に |
| ノーベル賞は、ノーベルの遺言を受けてソールマン氏が財団を創設したことから始まりました。当初は親族や国からも反対を受けましたが、どうにかして財団を設立し1901年、つまり20世紀の始まりに、初のノーベル賞受賞者が誕生した訳です。親族の反対は遺産の分け前が少ないから、という理由で。国からは、国際賞を作るなんて愛国心が足りない、という理由で反対を受けていたようです。
下に書いたのがノーベル賞が幾多の困難を越え、100年もの間世界トップの国際賞として存在している大まかな理由として考えられているものです。 |
| (1).賞金の金額 |
| 賞金額が、当時としては破格な金額だったことが、ノーベル賞成功の一つのカギであったと言われています。初年度の賞金額は、当時の大学教授の年収の25倍に相当するほどであったといわれ、ほかの賞と比べても、何十倍もの金額を賞金として授与していました。 |
| (2).世界初の国際賞 |
| 遺言(このWebに記載)に明記されているとおり、この賞は候補者の国籍は考慮されず、また、候補者の推薦も国外に幅広く依頼しました。当時これほどの国際的な賞は存在しなかったのです。このこともノーベル賞を偉大な賞にした理由の一つなのです。 |
| (3).選考システムが画期的 |
| 選考は、委員によって厳格に行われ、合計200名ほどの人が1年間賞の運営に携わるようになっていました。特定の研究機関が賞の選考を担当し、決して生半可に選んでいるわけではないのです。その証明は、今現在でも、賞の権威が衰えていないことからもわかると思います。 |
| (4).発祥の地が、中立を守る小国であったこと |
| スウェーデンは大国と距離を置いた国だったため、受賞機関には理想的舞台となりました。なぜなら、スウェーデンは中立国家で、ほかの国からの政治的圧力を受けにくく、差別も少ないからです。事実、受賞者に対する人種差別は記録には全く存在していません。ノーベル賞は受賞の地、スウェーデンにとっても、国家の誇りとなり、安全保障の手段となりました。この両者の関係はまさに理想の組み合わせであったといえるでしょう。 |